02西堀酒造 日光街道 小山蒸溜所

ジャパニーズ・ウイスキーの可能性を無限に――。 清酒酵母100%と吟醸米の米粉を使った、ウイスキーづくり。

栃木県初のクラフトウイスキー蒸留所、日光街道 小山蒸溜所を立ち上げたのは、1872年創業の西堀酒造。敷地内にある複数の建造物が国登録有形文化財であることからも、日本酒蔵としての長い歴史が伺えます。

コンセプトに掲げるのは「哲学するウイスキー」。長年培ってきた日本酒づくりの精神と哲学的な探求を融合させ、日本独自のウイスキーを創造すると同時に、そのウイスキーを通じて歴史や風土、文化など、日本の本質について探求するという想いが込められています。

日本酒づくりを応用した独自製法

その信念を象徴するのが、日本酒に欠かせない清酒酵母を使い、日本酒づくりの技術をウイスキーづくりに応用した独自の製法です。ウイスキーづくりに使われるのは、海外産のウイスキー酵母が一般的です。清酒酵母は、ウイスキーの原料である麦芽に含まれる糖分を資化しにくいことから、通常はウイスキーづくりに用いられることはありません。これに対し、日光街道 小山蒸溜所では試行錯誤を繰り返し、日本酒の伝統的な仕込み法である「段仕込み」を応用することで、国産の清酒酵母100%で麦汁を発酵させたモルト原酒を醸すことに成功しました。

さらに、日本酒の原料である吟醸米の米粉からグレーン原酒もつくっています。これらは、日本酒の吟醸香を思わせるフルーティーで華やかな香り(エステル香)で、まさに日本酒蔵ならではの原酒と言えるでしょう。

独自開発のステンレス製ハイブリッド蒸留器の導入や日光杉の和樽を活かした熟成の試み。日本のスピリッツが生きる、哲学のあるウイスキー。

特徴を最大限に引き出しているのは、濾過圧搾機専門メーカーである薮田産業と共同開発したハイブリッド蒸留器です。ウイスキーづくりでは、銅製ポットスチルでの常圧蒸留が一般的ですが、焼酎づくりなどに用いられる減圧蒸留にも対応できるステンレス製を採用し、常圧と減圧とを組み合わせるハイブリッド蒸留を可能にしました。減圧蒸留によって沸点を下げることで、清酒酵母ならではの軽やかでフルーティーなエステル系の香りを抽出することができます。

また、マッシュタン(糖化槽)は、麦芽だけでなく米粉の糖化も想定して細やかに温度調節ができるステンレス製を、ウォッシュバック(発酵槽)には日本酒づくりで慣れ親しんだホーロー製を採用するなど、日本酒づくりの粋を随所に取り入れています。

そして「生命の水」が語源であるウイスキーづくりに欠かせないものと言えば水。日光街道 小山蒸溜所では、西堀酒造の創業以来、日本酒づくりに用いてきた日光山系の自然伏流水を使用しています。ウイスキーは軟水で仕込むことが多いですが、この水は中硬水。その違いに可能性を見いだし、日本酒のように低温で時間をかけて発酵させることで、中硬水ならではの甘く、フローラルな香りを引き出しています。

熟成にはコニャック古樽、ピノ・デ・シャラント古樽、シャンパン樽を用いているほか、日本の風土を映す和樽熟成にも挑戦しています。2024 年には、日光東照宮の協力のもと、ご神木である日光杉を使用した「日光杉和樽熟成ウイスキー」プロジェクトを始動。日光杉並木の樹齢400 年の杉を入手し、栃木県内でたったひとりの和樽職人に依頼して10本の和樽を完成させました。

自らに問うことで生まれる、唯一無二の個性

2022 年に蒸留をはじめた日光街道 小山蒸溜所のウイスキーは、世界的な熟成基準である3年を経て、2025年の秋にいよいよリリースされます。ブランド名は「哲-TETSU-」。西堀さんの名前の一字であると同時に、西堀さんのアイデンティティに影響を与え、ウイスキーづくりのコンセプトでもある哲学を意味します。
初リリースを迎える2025年は、くしくも日光杉並木街道の植樹400年という節目でもあることから、日光杉並木のご神木から制作した和樽をカスクフィニッシュとして使用し、同じくご神木からつくった化粧箱に入れたスペシャルエディション「日光東照宮献上ウイスキー」も限定でリリースされます。

「真のジャパニーズ・ウイスキーとは何か」を自らに問いながら、日本酒蔵ならではのウイスキーをつくる日光街道 小山蒸溜所。日本の伝統と革新と融合する“オールジャパニーズ”の発想から、唯一無二の個性を持つウイスキーが生まれています。

西堀酒造(若盛アンテナショップ)

〒329-0201 栃木県小山市大字粟宮1452

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